2014年10月28日火曜日

第40回 ハウスキーパーさんの社会保障保険料

 トルコ共和国の、特に大都市では、自宅の掃除をハウスキーパーさんに任せる方がいっぱいいます。
 
 まだまだ文盲や小学校卒の女性の多いこの国では、働く方々が自宅をハウスキーパーさんに掃除してもらうことによって、どこにも就職出来ないであろう彼女達に働く場を与えることになるので、一石二鳥とも言えるのです。
 依頼者は、その代金をハウスキーパーさんに現金払いしているので、彼らには、何の社会保障もないのが現状です。
 そこで政府は、『彼女達にも社会保障を!』と、2015年4月1日に発効する法改正を行いました。
 ハウスキーパーさんは、月間勤務時間10日以上と10日未満という2つのカテゴリーに分けられました。
 2015年4月1日以降、ハウスキーパーさんを依頼する方は、依頼初日の月末までに、社会保障機関に届け出なければなりません。届け出ていないことが発覚すると、行政罰金の対象となります。
 周1回又は2週間に1回ハウスキーパーさんを依頼する大多数の方々は、10日未満の使用者なので、社会保障機関に労災・職業病の保険料を支払います。但し、労働法での雇用関係とはみなされないので、労災・職業病において、使用者としての責任を負わされることはありません。
 10日以上依頼される方とハウスキーパーさんは、労働法での雇用関係と見なされます。

 
 掃除は他人に任せるもの・・・という生活に慣れてしまっている方、社会保障機関への届け出をお忘れなく。

 

  
 

2014年7月16日水曜日

第39回 麻薬と覚醒剤に関する法改正

 第12回でも取り上げて、多くの方に読んでいただいたテーマなのだけど、2014年6月28日を境に、刑がかなく重くなったので、その幾つかをご紹介します。

 麻薬や覚醒剤を許可無く、又は許可の内容に反して製造、輸入又は輸出した方には、20年以上30年以下の懲役と2万日分以下の罰金が科されます。
 
 麻薬や覚醒剤を許可無く、又は許可の内容に反して、国内で販売したり、流通させたり、他者に渡したり、発送したり、運んだり、保管したり、購入したり、もらったり、所持している方には、10年以上の懲役と2万日分以下の罰金が科されます。但し、麻薬や覚醒剤を渡されたり買ったのが子供(例外を除き、18歳未満)だった場合、渡したり売ったりした方は、15年以上の懲役に処されます。

 麻薬や覚醒剤が、ヘロイン、コカイン、モルヒネ、モルヒネベースだった場合は、上記の刑が50%アップします。

 上記の犯罪を3人以上で共同で犯した場合、上記の刑が50%アップします。

 自分が使用する為に麻薬や覚醒剤を購入したり、もらったり、所持している方や、麻薬や覚醒剤を使用している方は、2年以上5年以下の懲役が科されます。

 ここでの1日分の罰金額は、その方の生活水準その他を基準に定められるのだけど、最低額は1日20TL。2万日ということは、40万TLで、今日のレートで約2千万円。

 最近、未成年者の覚醒剤使用が急速に増えていることで、法改正が急がれていたのは事実です。

 世界有数の観光地『イスタンブール』だからこそ、取り締まりも厳しくなっています。
 トルコ語が分からなくても、国選弁護人や通訳サービスを受けることは出来るけれど、10年以上の長い年月を、自由を奪われて生きることと一時のスリルを天秤にかけるなんていうのは、お勧め出来ません。

 お問い合わせ : 鳥越弁護士事務所 (www.torigoelaw.com)

 



  
 

2014年5月9日金曜日

第38回 初めての滞在許可証は自国で取得

 第6458号法の第21条第1項は、4014年4月11日に施行されていて、だから外国人は国籍を有する国か合法的に滞在する国のトルコ共和国在外公館でしか、初めての滞在許可証を取得出来なくなっています。
 でも、未だ在外公館では、滞在許可証作成は、なされていません。
 内務省移民管理局に確認したところ、内務規程により、2015年1月1日まで実施が延期されたそうです。
 2015年1月1日以降に初めて滞在許可申請をされるのであれば、在日トルコ大使館で滞在許可証を取得しなければならなくなります。
 滞在ビザ延長、学生ビザ、永久滞在ビザ等は、従来通り、トルコ国内での申請が可能です。

 詳細に関しては、鳥越弁護士事務所(www.torgoelaw.com)までお問い合わせ下さい。

2014年5月5日月曜日

第37回 清酒のトルコ共和国市場初参入

 キーコンサルタントの代表者として、日本の食文化を代表する清酒をトルコに直輸入する支援をして参りました。

 2013年12月、トルコ共和国の大手酒類輸入業者であるMania Gurme Gıda Tarım Turizm San. ve Dış Tic. Ltd. Şti.(mania.com.tr)の熱意と尽力で、白鶴酒造株式会社の清酒(大吟醸)が、初めてトルコ共和国の税関を通過し、2014年4月11日をもって、事実上市場に参入しました。

 日本製品の放射能検査義務も撤廃された現在、日本食品のトルコ共和国への輸入が更に簡易になっております。

 今後は、鳥越弁護士事務所(www.torigoelaw.com)として、日本の食文化をトルコ人に伝える方々を支援して参ります。
 どうぞ、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

  

 

2014年3月12日水曜日

第36回 自社のMERSİS番号をご存知ですか

 MERSİSとは、税関・商業省が、将来的に全ての商業手続に関する情報を一括統制することを目的として立ち上げたシステムで、センター登記登録システムです。

 2014年2月25日からイスタンブールでも、会社設立や支店設立、他県から本社をイスタンブールに移転する手続きでは、MERSİSに情報入力することが必須とされています。今後段階的に全ての手続きがMERSİS上で行われることになります。

 既に活動を開始している企業は、既に自社のMERSİS番号を確認されていますか。もし、『えっ、それ何?』という状況なら、会社で使用のメールアドレスから、mersis@ito.org.tr宛、最新のタックスボードを添付し、下記を明記の上、確認して下さいね。

  ・商号
  ・住所
  ・管轄税務署名
  ・納税者番号
  ・イスタンブール商業登記番号


 

2014年3月11日火曜日

第35回 不法労働と罰金

 現在のトルコ共和国には、外国直接投資を除き、外国人1人に労働ビザを与える為に、5人のトルコ国籍者を雇用しなければならないというルールがあるのです。
 これって、進出したばかりの企業には、かなり負担となるコストなんですよね。本社は大企業でも、現地法人は当初小規模なのが普通で、いきなり5人のトルコ人を必要としないことの方が多いのです。

 『じゃ~バレなきゃいいじゃん』って言う人もいるのかもしれないけれど、外国で眠れない夜を過ごしたくない私としては、やっぱりちゃんと労働ビザを取得した上で雇用してくれる会社で勤務することをお勧めします。

 労働・社会保障省が提示している2014年度の行政罰金額は下記の通りです。

 労働ビザを取得していないで勤務させている使用者に対し、外国人1人当たり  7,612TL
 労働ビザを取得ぜずに勤務している外国人                           759TL
 労働ビザを取得せずに自営業している外国人                         3,043TL
 法定期間内に労働・社会保障省への報告義務を怠った自営業をしている
 外国人と、外国人を雇用する使用者に対し、外国人1人当たり                      379TL 

  上記をくり返した場合は、行政罰金額は2倍となります。 
 また、不法労働者を勤務させている使用者は、その外国人と、いればその配偶者と子供の滞在費と自国へ戻る費用、必要とあれば医療費も支払わなければならないのです。

  母国では、気軽にバイトとか出来るでしょう。だからその延長で、お小遣い稼ぎ気分で、労働ビザを取得せずに、通訳や翻訳してしまってる外国人もかなりいるはず。それって、不法労働且つ脱税行為なのですよね(苦笑)。。。 勿論発覚したら強制送還です。 
 外国人の自営業は、特殊な業種に限定されているので、通訳や翻訳業じゃ、自営業が出来る労働ビザは取得出来ません。

 強制送還されるからじゃなくて、自分から望んで住まわせていただいている国だから、外国人としての義務を怠らないのがエチケットって思うのです。